山本精一、津山篤

2017/6/26　千駄木Bar Isshee
山本精一と津山篤のデュオ「ともだちはじめ」です。この日は当初山本ソロの予定でしたが、前日に水道メガネ殺人事件があったので津山を入れたセットにしたようです。東京では2013年以来、私は今年京都でRUINS波止場のライヴで見て以来です。

向かって左に津山、右に山本が位置します。津山はエレアコギター（オベイション）を使用。後方に店置きのジャガータイプのギターが置いてありましたが使用せず。あとで津山曰く「あれは飾りｗ」。エフェクターはBOSSのSUPER OVER DRIVE、MooreのAna Echo、ループ用のディレイというセッティング。最近よく使っているiPadも用意。山本は店置きの黒のスチール弦のアコギと黒ストラトを使用。アコギはプラグインせずマイクで音を拾って出力。エフェクター
DOD 250、Ibanezのワウペダル、オーバードライブ、ピッチシフター、リバーブ、ディレイ２台を使用。この日はループは使用せず、それぞれ遅れ時間を違う設定にして使い分けています。

１．まずはアコギデュオからスタート。例によって全てインプロですがどちらが主導権を取るとも無く自然に場面展開していくのはこの２人ならでは。山本がアコギなせいか比較的刻みが多め、津山が単音リフやベースライン的な演奏が多めという比率。

２．前半は比較的短めのセットを続けて演奏。ここではミニマル・ポリリズム的な要素を全面に出した演奏。津山はここでディレイループを使い、迷宮度を増強していきます。

３．ここまでリズミックな演奏が中心でしたがここで静謐で叙情的な演奏へ。途中、山本がストラトに持ち替えると津山はジョン・マクラフリンあたりが好きそうなリフを提示し、これに山本が抑え目のファズトーンで淡々としたフレーズを加えていく展開。その後はそれまであまり使っていなかったエフェクター類を徐々に使い出します。特に山本のワウペダルを大きく踏み込まず、中間付近でゆっくりと微妙に音を揺らしていく奏法が面白い。

４．津山はボトルネックならぬワイングラス奏法を見せます。山本はピッチシフターを使った演奏。変化幅を大きく取って、グリッサンド奏法する手法が効果的。最後はかなり大音量のドローン的な音で終了。前半はトータル３５分ほど。

５．後半は津山がiPadの楽器ソフトで出すスケールについてのトーク（「オルタード・スケール？　どっかで聞いたことあるなｗ」とか）があったり、「昨日の流れでと「雨にぬれても」ぽいフレーズを中心にした緩めのインプロからスタート、と思いきや突然中断し「では２部を始めます」今までのは？(^_^;)

後半本編（？）は一定のBPMをキープしたミニマル・トランス的な演奏とその合間を繋ぐような静謐な演奏が交互に出てくるロングセット。リズミックな場面も都度パターンを変えて来るので数曲メドレーで演奏しているような感覚です。山本はここではワウペダルを少し深く踏んだ状態で止めて、硬質な音でカッティングを聞かせます。この音はかなり強烈。

６．山本がストラトからアコギに持ち替えて掻き鳴らすと、津山はiPadで各種アナログシンセ音での演奏を加えます。この音がかなり大きめで（後半開始時にiPadの音に対して山本がいちいち「うるさい」と突っ込んでいた）、山本の手が止まるたびに怒り出すんじゃないかとちょっとヒヤヒヤしました(^_^;)。その後は山本の提示するフォークぽいコード進行に合わせた演奏、アコギ版ハードコアのような激しい演奏、ストラトとiPadにそれぞれ持ち替えてファズトーンの早弾き＋テルミンのような電子音という組み合わせなどに展開して終了。後半はここまで３５分ほど。

７．アンコールセット。例によってここからが長いです(^_^;)。「昨日の水道メガネで替え歌魂に火がついたｗ」とかで、ここから「俺たちの旅」「酒と泪と男と女」「チャコの海岸物語」「いい湯だな」の替え歌4連発。どれも歌詞は危な過ぎて書けません(^_^;)。しかも歌詞が途中までしか出来ておらず、中途半端で終わるのがまるで昨日の悪夢の続きのようです(^_^;)。演奏終了後もスイッチの入った山本は津山を相手に延々喋り続けます。この２人の公開の場でのトークというのも意外に珍しい？　ここで出た話も危険すぎて詳細な内容は書けませんが、昨日の裏で追悼ライヴのあった生悦住氏やPSFについての話、長谷川チュウがいた頃の想い出波止場の海外ツアー時に入国で引っかかった話、２人で二丁目のホテルに泊まった時の話、津山のプライベートについての話など、どれもメチャクチャ面白い。まあこれは当日足を運んだ人だけの特典ということで。というわけでアンコールはトークも含めて３０分近くやっていました(^_^;)。

本編の真面目さとアンコールの外れっぷりの落差の凄さが印象的でした。山本１人でも相当のものですがこれに津山が加わるとさらにドライブがかかるということもこの２日間でまざまざと再認識しました。それにしても「もう２度とやらん」というコメントが１日で覆されるとは...やはりこの人の言葉は信用できません(^_^;)。

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