ROVO　9/7

ROVO

2018/9/7　横浜Thumbs Up

ROVOのワンマンライヴです。2013年から（2014年を除き）毎年この時期に定員200人のこの会場で行われるワンマンライヴももうすっかり定着してきました。今夏のROVOはイサーンイベントや夏の魔物など、フェス系にゲストとして呼ばれることが多かったですが私は行けなかったのでこのライヴ１本です。

ステージ配置はいつもの通り。益子はRoland A-49とSH-101、右手側のMacBook、足元のEventide Time FactorとBossのギガディレイというセッティング。岡部はトラップドラム、ジャンべ、カホンといういつものセッティングに加え、いつもセカンドスネアを置いている位置に鍋（行平鍋？）をセット。これがどう使われるか注目。山本は黒ストラトを使用。エフェクターはDOD 250、MorleyのBad Hoses（ワウペダル）、TSと書かれた黒い箱、オーバードライブ、BossのAngry Driver、ヤマハのフェイザー、トレモロパン、リバーブ、ディレイ×2を使用。後方のアンプに加えてモニターの横に小さなアンプを置いて使用。これは自分のモニター用か。芳垣は１タム１フロアのセットでこの日はパーカッション類は無し。勝井はEarthquaker Devicesのエフェクター多数を加えた最近のセッティング。

１．Palma
２．XI
３．Sino
４．（疾走感のある曲）
５．（緩め→７拍子に展開する曲）
６．（ミドルテンポの曲）
７．（ギターカッティングが先導する曲）
（アンコール）
８．Loquix

まずは直近作"XI"収録の２曲からスタート。岡部の鍋はさっそく１で大きくフィーチュアされ、ポリリズムの中で４拍子をキープするのに使用。これがなかなか通る音でかなり目立っていました。この後も多くはないですが要所でこれを使っていました。この日の私の立ち位置のせいか、岡部と芳垣の音の分離が非常に良く、特に岡部寄りだったためか彼のバックビートを刻むスネアの音までかなりはっきり聞こえてきたのが面白かった。それにしてもバックビートを入れると物凄い音数です。最後の方でさらに巨大な鍋を取り出し、チベタンボウルのようにして鳴らしていましたがこれはこの場面だけ使用。２は単に１１拍子なだけでなく、山本の単音フレーズループや勝井のフレーズがそれぞれ違うタイム感で重なっていくのが面白い曲。最初にこの曲の原型をこの会場でのライヴで聞きましたがそこからかなり大きく変わった曲です。３以降は今年に入ってからの新レパートリーを中心にした演奏。オリジナルアレンジの３は最初の益子のリフが高速化してから２ドラムが入ってくるまでかなり引き延ばされて、おかげでずっと高速で弾き続けるハメになった益子は苦笑。この入ってくるタイミングを指示していたのは山本でした。やっぱり...(^_^;)。リズムが入ってからは最初はジャンべ＋ブラシ、続いてスティックでの２ドラムに移行。ここでは勝井のEarthQuaker Deviceのエフェクター類を使ったシンセ／シーケンス的な音色の使い方が面白い。益子のサウンドエフェクト的な音と合わせてかなりエレクトロ度が上がった印象。これまで見たライヴでは４に続けて演奏していましたがこの日は明確に曲間を開けていました。これも試行錯誤でしょうか。４では疾走感のあるリズムと対照的な勝井のロングサイクルループを使ったゆったりとした多重アンサンブルの入れ方が効果的。５はゆったりとスタートして後半７拍子になり、さらに加速する展開。加速後の７拍子の終盤、４＋３拍の後半をさらに４拍のポリを入れてフックにする構成は岡部＆吉垣ならでは。６は終始ミドルテンポで構成される曲ですがここでは中間部の山本ソロに注目。ここではオーバードライブとAngry Driverを重ね掛けして、ハードながらノイジー過ぎない今までのROVOでの演奏時とはちょっと違ったタイプの音色で演奏していたのが面白い。Angry Driverを使っているのを見たのは私は初めてですがこれは今後も使い続けるでしょうか。本編ラストの７はネット上では「山本新曲・メソポタミア」と書かれていたという情報を見かけた曲。山本のカッティングギターが先導し、これに自由度の高い２ドラムがからんでリズム先行で展開していき、ここでも７拍子のパートを挟んで終盤は抒情的な展開から再び山本の２台重ね掛けのハードな音色でのギターソロが爆発するという形。途中の場面転換ではそれまで座って演奏していた山本が立ち上がって激しいアクションで指揮をします。まるで想い出波止場のライヴの一場面を思わせて面白かった。これもROVOのライヴでは珍しい光景です。アンコールは８で比較的あっさり目に終了。ROVOのワンマンライヴとしては割と短めの１時間３０分強でしたが、野音では集中できなかった新セットをじっくり聞けて満足度の高いライヴでした。

ROVOは１１月に代官山UNITでのライヴが決まっていますが、これはワンマンではなく対バンありという事で、どんな組み合わせになるか楽しみです。

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