高円寺百景
2019/11/10 秋葉原GOODMAN
高円寺百景のワンマンライヴです。この日は2005年にリリースされた4作目のアルバム"Angherr Shisspa"のLPでの再発記念ライヴです。
ステージ向かって左から矢吹、Ah、吉田、小森、坂元、小金丸という並び。矢吹はKorg X5DとNord Stage Exを使用。前回３月に見たときに使っていたTrinityからX5Dに変更。音色的にはアナログシンセ系を中心に同じ傾向の音を使用。また、足元に小型ラックを置いていましたが、これは音源だったかもしれません。吉田は２タム１フロア、セカンドスネアとツーバスペダルを加えたセット。小森はソプラノサックスとクラリネットを使用。坂元のエフェクターはファズに加え、オートワウ系のものを加えていたのが目につきます。小金丸はストラトに加え、アコギ（エレアコ型）を用意。エフェクターはStrymon Time Line（ディレイ）、BOSSのリバーブ２台（それぞれ違うセッティングで使っていた模様）、Whammyピッチペダル、BOSSのコーラス、Whampler EGO（コンプ）、Tube Screamer、Electro HarmonixのFREEZE（電子的なサスティナー。ロングトーンを残してこれに演奏を重ねられる）、あとメーカー・型名不明のファズと思われるものを使用。昨年のライヴで確認した時とはかなり入れ替わっています。
１．Vleztemtraiv
２．Zjindhaiq
３．Levhorm
４．Phlessttighas
５．Palbeth Tissilaq
６．Dhorimviskha
（休憩）
７．Tziidall Raszhisst
８．Rattims Friezz
９．Fettim Paillu
１０．Angherr Shisspa
１１．Wammilica Iffirom
（アンコール）
１２．Rissendo Rraimb
まず前半は５作目のアルバム"Dhorimviskha"収録の５曲を演奏。この中で注目は２。これはアルバム収録曲で唯一ライヴで演奏されていなかった曲でこの日がライヴ初演。特にライヴでの再現性が難しい曲というわけではなく、なぜライヴで今までやらなかったのかは不明ですが、この曲の初演が聴けたのは個人的には嬉しかった。この曲のベースソロではさっそくオートワウを使用。これまでにはないタイプの音色でかなり面白い。５では小金丸がアコギを使用。この曲は過去にも吉田がダラブッカを使ったりとライヴごとに演奏形態を変えてくるのが面白い。小金丸のアコギは雰囲気づくりがメインであまりバリバリ弾きまくる感じではなかったですが、今後はそういう演奏も交えてくるとまた違った音になって面白いかもしれません。後半はストラトに持ち替えていつも通り弾きまくり型にチェンジ(^_^;)。この日はいつもに比べて音の分離が良く、各パートの細かいフレーズがよく聞き取れて変拍子も取りやすかったのが特徴的でした。
後半はいよいよ４作目収録曲ばかりのセット。とはいえずっとライヴのレパートリーではあった曲ばかりで新鮮味はどうか、と思っていたところ、冒頭吉田が「新アレンジで演奏する」と宣言。俄然期待が高まります。７はアルバム１曲目でAh加入初ライヴの冒頭でも演奏した曲。この曲の冒頭を聞いただけでああもうこの人で大丈夫だ、と感じたことを思い出します(^_^;)。この曲の中間部のベースソロのパートは尺を長く取ってギターとのソロバトルとなります。８は吉田のセカンドスネアをスティックで押し込んでピッチを変えながらパーカッション的に叩く音と、矢吹のガムランを思わせる金属的な音色のシンセを中心にしたエスノ的な色の強いインプロからスタート。この展開からどの曲が始まるのかと思っていたら実はキーボードの音は８のイントロで使っている音でした。これは気づかなかった...。前半の展開部でピアノソロが入るところやその後アカペラコーラスパートが入るところは現編成のライヴではおなじみですがアルバムリリース時には無い場面です。９はイントロで矢吹のピアノソロが入るのはいつも通りですがこれも時間を長めに取り、さらに途中ディレイを加えた演奏に。これまた新趣向です。中間部のインプロパートでは小森のクラリネットと吉田のヴォイスを中心にした暗黒チェンバー風の展開へ。１０は中間部に小金丸のハードなギターソロパートを追加。本編ラストの１１は中盤のベースリフ中心になる場面の前に矢吹のグライド機能を使ったシンセ（UKのアラスカを思わせる）や重いベースラインを中心にしたへヴィなインプロパートを追加。というわけで、どの曲も新鮮味満点で非常に楽しく聞けました。どの曲もパートが追加になっているため演奏可能曲数が減るのはやむを得ないでしょうか...。アンコールは１２をフルパートではなく途中のドラムフィルインから最後までという短縮ヴァージョン。ここでYoutube配信をやっているという坂元が自撮り棒付きスマホを持ち出して、Ahがこれを持ってステージや客席を撮りながら演奏。結構グワングワン動かしていましたが配信に使えたんでしょうか（見たら酔いそう...）。
高円寺百景の活動は今年は終了で、次回は来年春ごろになる予定とか。来年はどんな企画が出るか楽しみです。
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