山本精一 彼岸ギター&うたのライヴ
2023/8/1 御茶ノ水ポラリス
山本精一のソロライヴです。「彼岸ぽさ」がテーマという事で、前回のライヴでの告知時に以前無力無善寺でやったライヴについて言及していましたが、そのライヴがレア度・質とも素晴らしい内容だったので今回も期待を高めての観戦です。
山本はいつもの黒ストラトを使用。エフェクターはDOD 250、オーバードライブ、リバーブ、ディレイ×2。前段のディレイがステレオ出力されており、ダイレクト出力がそのまま右側のフェンダー・ツインリバーブから、ディレイ出力が後段のルーパーとして使用するディレイを通して左側のJC-120から出力。ちょっと変わったセッティングです。PAスピーカーは左側は通常の位置に、右側が客席側に寄って置かれているのもちょっといつもと違う感じ。
1.Mothlight
2.朝うたう夜のうた
3.Be
4.虚空の屋根
5.泥棒の君
6.背後霊
7.無限のうた
(アンコール)
8.指紋
9.足りないもの
この日はイントロや曲間に短いインプロを入れて1〜3、4〜5と続けて演奏する形で進行。インプロはかなり深めにかけたリバーブやステレオ感のあるディレイを活かした空間的な音を多用。この辺りが「彼岸ぽい」ところでしょうか。1はオリジナルのギターバッキングとは異なり1コードのカッティング中心で歌メロはそのまま歌います。全く別アレンジと言ってもいいでしょう。終盤に出てくるコード展開もオリジナルとは違う動き方で、これは新しい試みなのかそれとも元々こういう別アレンジが存在していたのか気になるところです。2は通常通りのアレンジですが今度は歌詞が細かいところで変わっています。山本の曲の歌詞の別ヴァージョンは結構聞いていますがこの曲のは初めて。3はまた山本らしいグルーヴィな1コードのカッティングループを流してこれに付加ギターパートと歌が乗る形で別アレンジと言っていいもの。ここまで曲としては通常歌ものライヴとしては特に珍しいものではないですが、ここまで色々変えてくるのが凄い。4は深めのリバーブがかかったギターで歌うのでこれまた今まで聴いたのとはグッと印象が変わります。トラッド風のギターインストパートをはさんで5へ。以後はリバーブを浅めにセッティングしてほぼ全編かけっぱなしにして演奏。この曲は普段あまりライヴではやらないですが「なぞなぞ全曲ライヴ」でこのところ続けて演奏しており、その時の演奏（例の難易度の高い歌とギターのユニゾンパート）があまり上手く行っておらず「今日は割とうまく行ったw」との事で、リベンジ的な意味もあっての選曲だったでしょうか。以後は1曲ずつの演奏ですがやはりイントロなどにインプロが付加されます。6はフレアの歌詞違いで「UR TRACKS」に収録。ギターバッキングもかなり自由に崩しています。最後は最近では定番決め曲になりつつある7。4やこの曲も微妙に歌詞の言い回しが変わっているような(未確認)。これで本編終了。
アンコールはディレイオンタイムの単音ミニマル増殖フレーズや奇妙な音響ループから、これも歌詞が「UR TRACKS」ヴァージョンの8。そしてこれも羅針盤後期曲の9。この曲は中盤のインストパートのコード刻みを変形させたパターンをループで回して自由なギターソロを加えていく、「プログレなw」形へ発展。この形態も初めて聞きましたが聞き応え十分。演奏後はこれまでほとんど喋っていなかった反動か、告知から暑いという話から始まって地球は今後どうなるのか、UFOについてなど怒涛のトークタイムに突入。ちなみにこの日演奏した曲も彼岸的な歌詞のものばかりだったそうです。先の無力無善寺の時も、意外な曲が霊についての歌であることが判明して驚いたことを思い出しました。先月のライヴほどではないですがこの日も10分近く喋っていました(^_^;)。これも含めて計1時間半ほどの演奏。
曲はお馴染みのものが多かったですが、合間のインストや曲のアレンジや歌詞違いなど、新鮮味のあるものばかりで非常に面白かったです。この辺りの違いが今回限りなのだとしたらかなり贅沢な話ではありますね…。
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