YEN CALLING96/4/3 渋谷クロコダイル
福岡ユタカの不定形ユニット、YEN CALLINGのライヴ。今回のメンバーは、福岡ユタカ(vo)、鬼怒無月(ac-g)、勝井祐二(e-vln)、外山明(ds)の４人です。
昨年９月にシルエレで見たときは福岡＆鬼怒のデュオ形式で、演奏内容もかなりリラックスしたものでしたが、勝井＆外山の入った今回は、前回と比較してかなりハイテンション＆パワフルなものとなりました。勝井が入ってリードを任せられることが出来るようになったことで、鬼怒はほぼ曲の骨格を固めるのに専念し、インストがかなり厚くなっています。そして外山のドラムス。パワーやテクニックだけでなく、一種独特のアクセントの付け方（この辺はさすがにティポ仕込み）で曲にテンションと疾走感を加えていきます。これに福岡のアンデス声が乗って４人で疾走する場面は圧巻です。
福岡は前回同様、ピッチシフターを使って一人ハモリや声ベースなどの技を聴かせます。勝井はロングディレイを使った空間的なプレイが印象的。途中外山のスネアが破れてガムテープで補強する場面も見られました。
ほぼオールインプロ、ぶっ通しでトータル１時間弱、堪能したステージでした。ほんとは小林由明によるモロッコのスライド映像が入る予定だったそうですが、これは機材のトラブルで残念ながら中止でした。
隣に座っていた、後のバンドを目当てに来ていた人が「これは一体どういう音楽なんですか？ こういうの初めて聴きました」と話しかけてきたのが印象的でした。
ちなみに後で出たのは、DEREK K.SHORT(vo,b,sax)という黒人マルチプレイヤーを中心に、ホーン３人、kb、ds＆perc、女性choという編成で、グラウンド・ビートぽい打ち込みをバックに手堅いフュージョンを聴かせるバンド。演奏は悪くなかったけど、曲にあまり引っかかるものが無かったので３０分くらいで出てきてしまいました。２バンドで客層がものの見事に入れ替わっていたのが面白かったですねぇ。
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