GROUND-ZERO96/12/12 高円寺20000V
GROUND-ZEROのワンマンライヴです。
今年は結局、４月の２回（うち１回はチャールズ・ヘイワードのサポート）と今回の、計３回しかライヴの無かったということで、なかなかの盛況でした。まず前半は、新曲"CONSUME RED"。時間経過入りで書きます。
● 0min:まず松原１人がステージに登場、サンプラーのソロでスタート。これが「韓国の人間国宝」金石出の胡笛のサンプルなんでしょうか。この演奏は前半ずっと続きます。
● 5min:大友が登場。断続的なノイズでアクセントを加えます。
●10min:田中が登場。深いエコーのかかった太棹三味線が加わります。
●20min:芳垣、植村が登場。シンバルのロールのみで徐々に音量が上がっていきます。
●25min:内橋、ナスノ、菊地が入ってやっと全員登場。大友のハンドサインでバンドヒットが加えられます。
●30min:ここから遂にリズムが入ります。シンプルで重い、ミドルテンポのリズムはまるでクリムゾンの"RED"のようです（あ、それでこのタイトルか...）。随時大友のハンドサインでコードチェンジが行われ、曲としての構成がなされています。その間、上物はリズムが入る前のままの状態なのでカオスな大音響のアンサンブル（と呼べるか？）が延々続きます。
●40min:ここでノーリズムになります。他の楽器が徐々にフェードアウトしていく中、ナスノの超ヘヴィなベースソロがフィーチュアされます。
●50min:最初に登場した松原のサンプラーのみが残って、エンディング。
４月の新ピでは３０分くらいだったようですが、曲が膨張して５０分にも及ぶ超大作になってしまいました。それにしても、５０分間緊張感が持続するのは凄いとしか言いようがない。スピーディで情報密度が高い「革命京劇」とは全く対照的な曲。ＣＤではどういうフォーマットでリリースされるのかわかりませんが、このままの構成でＣＤにしちゃってもいいんじゃないか、と思わせる濃い内容で
した。
休憩を挟んで、２部は"PLAYS STANDARDS"。
1.ヴィクトル・ハラ「平和に生きる権利」＋コンポステラ「篠新3/4」
2.セルゲイ・クリョーヒン＆ケシャヴァン・マスラク版「悲しき天使」
3.MASSACREの"BONES"
4.大友＆内橋ギターデュオ「アカシアの雨が止むとき」
5.見上げてごらん夜の星を
6.バート・バカラック"I SAY A LITTELE PRAYER"＋男たちの挽歌
7.革命京劇・短縮ヴァージョン
（アンコール）
8.ブレヒト＆アイスラー「カール・スプラッツのポプラの樹」＋NOVO-TONO「夢の半周」１部の緊張感とうって変わって、リラックスした雰囲気の演奏。メロディアスな菊地のsaxと随所で挿入される田中の義太夫ヴォイスがハードなアンサンブルに適度にアクセントを加えて、バランスの良い印象。MASSACREの"BONES"はこの編成ならではの、本家を上回る超迫力の演奏。4.は、演奏後のＭＣで言われるまで全くこの曲と分からなかった。6.はまだアレンジ未完成で、ＣＤ収録ヴァージョンをお楽しみに、との事。7.は「これまでむちゃくちゃなのばっかりお聴かせしたので、最後にちゃんとしたやつをやります」とのコメント入り。アンコールの曲の冒頭では、松原による「台湾の友人からの手紙」が朗読されました。
１部と２部の振幅の大きさ、GROUND-ZEROのカバーするレンジの広さをまざまざと見せつけたライヴでした。新作は"CONSUME RED" "PLAYS STANDARDS"とも来年４月発売の予定です。"PLAYS STANDARDS"には今回演奏されなかった想い出波止場やスティーヴ・ベレスフォードのカバーも収録されるそうです。
２万Ｖで聴くGROUND-ZEROも悪くないですねぇ。
GO TO INDEX