灰野＋吉田＋DUB SONIC98/5/31 恵比寿MILK
恵比寿MILKで行われたライヴ＋ＤＪイヴェント"EROTIC ALIEN"です。この日のMILKは16時開場。天気のいい明るいうちから会場の前でクラバーがたむろっている図は、かなり異様です(^_^;)。私はライヴタイムが始まるまで、ステージのある上フロアのすみに腰掛けて、ＤＪの曲聴いたり、知り合いと話したりして過ごしましたが、フロアで全然踊る人がいません。まさか来てる客全員、私のような吉田・灰野目当てとは思えないんだけどなぁ。18時からライヴタイム。まず名前を知らない２バンドが続けて演奏しました。１つ目はモッズ風ファッションのg&voと女性b&dsの３人組バンド。技術的には水準以下。２つ目はvo,g,b,dsの４人組。技術的には１組目よりもマシだけど、何も感じるところ無し。ほとんど学生バンドか、ライヴハウスのオーディション並のレベル。これほどのバンドをライヴで見たのって、過去あったかどうか。一体どういうブッキングだったんでしょうか？
・カストロ（20:00 〜 20:30）
やっと名前だけは知ってるバンドが出てきたぞ(^_^;)。打ち込みのリズムをバックに指弾きのかなりテクニカルなb、高域中心のノイジーなg、そして２人のvo （ラップ）をフィーチュア。ＤＪタイムの盛り下がりから一転、かなりの盛り上がりです。ただ、事前にＣＤを聴いていた知人は、「ＣＤではギターがすごくテクニカルだったのに、ライヴ見たらそのパート全部打ち込みでやんの」だそうで(^_^;)。
・L?K?O? （20:30 〜 21:30）ここでＤＪもやっと知ってる人が(^_^;)。前回見たGROUND ZERO融解GIGでもやった「コンドルは飛んでいく」やベートーベンの運命などを早回しにして強引にブレイクビーツを重ねる技は健在。コミックソングなどもプレイしていましたが、どこからあんなネタ探して来るんでしょう？
そして凄かったのが、灰野がステージに出てきてセッティングを始めた時に「黒ネコのタンゴ」をプレイした事。これ、ひょっとして狙っていたの？ だったら恐ろしい....(^_^;)。
・灰野＋吉田＋DUB SONIC （21:30 〜 22:00）灰野と吉田が共演するのは９５年４月のSHOW BOAT以来３年ぶり。この時も欠席したジョン・ゾーンの代打ということで、非常にレアな組み合わせです。
ステージ上でセッティングが始まると、フロアは超満員に。こんな人数、今までどこにいたんだ？ と思ってしまうほどです。みんな、やっぱりこれが目当てだったんですねぇ。
吉田はドラムのみでヴォイスは無し。灰野は赤のＳＧにエフェクトを数珠つなぎにした、ハードな音用の定番セッティング。DUB SONICのメンバー１人はテーブル上に小型のエレクトロニクス機器を並べ、足元にはキーボードを置いてKIRIHI TOの竹久風に踏んで鳴らします。また、ペットボトルの中にマイクを入れて鳴らす、といのもしきりにやっていましたが、その結果がどんな音かは全く聞き分けられませんでした(^_^;)。内容は灰野＋PILLデュオを思わせるハードコア・ガチンコ３０分１本勝負。吉田はハイテンションながら比較的リズムをしっかりキープします。灰野は激しいアクションで、ステージが狭いためしばしばシンバルを倒しそうになります。中盤から灰野のヴォイスが加わるともう独壇場。吉田のドラムや強力な電子音が奥に引っ込んでしまうのはやはり凄いです。
途中、灰野がDUB SONICの人の方に歩み寄って話しかけたり、吉田が始まった直後に、モニターから灰野の音が聞こえないようなそぶりをしていたので、決して満足のいくコンディションや準備状況だったかもしれませんが、多分大方の観客はそうと気づかなかったでしょう。それほどの熱演でした。
ところで終盤、私の前にいたクラバー風の客が、灰野の目前でたばこを喫いはじめたのにはビビりました。きっと灰野がたばこを強烈に嫌っている事は全く知らない人だったんでしょうが、私は灰野がキレて途中で帰ってしまうのではないかと、演奏とは別の部分で緊張してしまいました(^_^;)。灰野がまたMILKで演奏する事はあるんでしょうか？
おまけの大友情報。MILKのスケジュール表を兼ねたフリーペーパー"TOKYO ATOM"に大友の日記形式のコラムが載っています。この中で、夏にリリース予定のFILAMENTの新作に佐々木敦氏が好意的意見を述べたということで「最近の自分たちの方向性がかつての仲間にほとんど理解されていなかったので、嬉しい」と書いています。「かつての仲間に理解されなくてもいい、俺は俺の道を行く」とでも思ってるのかと思ったら、ずいぶん弱気じゃない？＞大友さん そりゃ確かに私でも、どちらかと問われれば昔の音の方が好きだと断言しちゃいますけどね(^_^;)。