灰野敬二＋吉田達也,和完98/08/14 高円寺SHOW BOAT
灰野+吉田デュオのライヴです。この日は裏が新ピで新大久保ジェントルメンがあり、どちらに行くか迷ったんですが、結局こちらにしました。
・和完 (19:10〜19:40)正体不明だった対バンの和完ですが、三味線の弾き語りソロでした。３曲演奏し、うち２曲は即興、１曲は打ち込みテープをバックに演奏（このテープ部分のリズムアレンジが.. ..う〜む、ちょっと)。反則技は全く使わず、わりとトラディショナルな奏法か？ ソロが終わって、「最後に３人で演奏します」とＭＣ。この時点では「おいおい、大丈夫か？」という印象だったんですが....。
・灰野敬二＋吉田達也デュオ (19:50〜20:35)先日の恵比寿ミルクに続く共演。今回はセッティングも事前に完了済、メンツも２人のみとあって、期待大です。最初は灰野は椅子に座り、比較的静かにスタート。やがて演奏に熱がこもってくると、灰野は椅子を立ち凄い大音量でギターをかき鳴らします。吉田も負けずにパワードラミングで応戦。灰野がギターの奔流で「空間」を提示すれば、吉田がそれにしっかりとビートを刻み込んで「時間」を提示する、といった感じでしょうか。とにかく迫力・バランスとも満点。吉田と灰野のヴォイス対決も見応え充分。中盤以降、灰野がギターリフを提示し、それに吉田がリズムを加えてハードロック的な展開をする場面が目立ちました。灰野にしては珍しいパターンなのでしょうが、これも新鮮味あります。ハイテンションで密度の濃い、あっと言う間の45分間でした。もうこれで終わっても文句のないところでしたが、このあと和完を加えた３人のセッションが。いったいどうなるやら ....。
・灰野＋吉田＋和完 (20:50〜21:40)さて問題のセッション。最初、灰野は大きなハーモニカを手に登場。これは、昨年津山さんが多用していたバスハーモニカでは？ これとヴォイスを交互に使用。ここで和完の三味線に呼応した灰野のヴォイスが凄い！ まさに灰野流邦楽。完璧です。きっと灰野のことなので邦楽も完璧にチェックしているとは思ったんですが、いきなりステージでここまでやってしまうとは凄い。もうこの冒頭数分だけで和完を入れたセッションを見たかいありました。
それ以降も見どころ満載。灰野はその後鉄パイプを叩いて残響音に変調かけたり、篠笛の演奏（これも初めてでは？）、さらにパーカッションで吉田のドラムとの共演やハイトーンヴォイスのデュオなど。さらに吉田も篠笛を吹く場面まで。和完はずっと比較的オーソドックスな三味線演奏で、吉田と灰野はこれに合わせる形で演奏を続けたため、和完１人が置いていかれることなく非常にバランスの良い演奏となりました。
アンコールでは再び３人が登場。灰野は高音のハーモニカと後半はギター。ギターを持ったあたりではさすがに和完はついていくのが厳しそうでした。
とにかく今日は灰野の引き出しの多さ、奥の深さに改めて脱帽という一日でした。
終演後、吉田さんと話ができたので、近況＆情報など。・６月末からつい数日前までずっと海外ツアーだった。後半１カ月はコペンハーゲンで行われたダンスとのジョイントパフォーマンスをずっとやっていた。リハ２週間、本番２週間で、作った曲を演奏するほか、ダンスの動きに合わせて即興で音を付けるものだったそうです。会場は数百人規模の劇場。アカデミックな客層だったとか。
・11〜12月はまたまた海外ツアー。このため、今年のＦＢＩには不参加だそうです。残念！
・ライヴ予定はあまり決まってないそうですが、９月上旬に何かやるかもしれないとのこと。また、１０月７日に渋谷LA-MAMAで、灰野＋吉田＋フランス人ギタリスト（名前失念。千葉節子と共演した人だとか）の３人でライヴをやる予定だそうです。
・聖家族のＣＤがやっと発売になりました。ただし、帯が間に合わなかったので、この日会場で買った人には後日郵送されるそうです(^_^;)。