灰野敬二、吉田達也、JEAN-FRANCOIS PAUVROS

 98/10/07 渋谷LA-MAMA


渋谷LA-MAMAで行われた、灰野敬二、吉田達也とフランス人ギタリスト、JEAN-FRANCOIS PAUVROSの3人によるライヴです。

この日は珍しく18時開場。PAUVROSとデュオユニットを組んでいる千葉節子嬢も客席にいました。すごく目立つぞ(^_^;)。それから主催のロクス・ソルスの臨時スタッフとして?松原幸子さんも来ていました。

・JEAN-FRANCOIS PAUVROS ソロ (19:15〜20:00)

最初はPAUVROSのソロ演奏。開始前に、ステージ上のテーブルに3本のひまわりをさしたペットボトルが置かれます。PAUVROSは見上げるような長身。ギターを持つと、両手でのフレットスクラッチ奏法、ヴァイオリンの弓を使ったボーイング奏法、ボトルネックを使ったグリス奏法、カバーを外したピックアップを直接叩いてノイズを出す、ストラトに持ちかえて強引なアーミング奏法(あまりに強過ぎて、いきなり弦を切ってしまった(^_^;))等、さまざまな特殊奏法を披露。その合間に、ギターのつまびきやピアノをバックにしたフランス語の歌なども入ります。おそらく、何かのストーリーを基にした演奏のようですが、いかんせんフランス語が分からないのがつらいです(^_^;)。

最後はひまわりの花をギターにこすり付けてのフリーキーな演奏で幕。2本は使ってしまいましたが、残った1本は使わずボトルに戻しました。45分ほどの演奏。

・灰野+吉田デュオ (20:10〜20:40)

短い休憩を挟んで灰野+吉田デュオ。立ち上がりが比較的静かだった前回8月に対し、今回はいきなり灰野が痙攣アクションでギターをかき鳴らし、アクセル全開のスタート。また、前回目立ったリフ弾きなどもあまり無い。見た目には同じフレットを押さえて延々かき鳴らしているようにしか見えないんですが、聴けば聴くほどさまざまな倍音や和音までが聴こえて来て、まったく飽きることがありません。奥が深い!

途中、少し落ち着いたところで吉田のハイハットの刻みに灰野が生音のギターでジャズっぽいコードを合わせる場面はなかなか新鮮でした。最後は再び全開で弾きまくって終了。今日は時間も短めでした。

休憩中、「今日はアーティストの意向により禁煙とします」というアナウンスが。そういえば灰野が出るにもかかわらず、客席でタバコすってる人がいたなぁ。デュオの時間が短かったのはそのせいかも?

・灰野+吉田+PAUVROS (21:00〜22:00)

最後は3人による演奏。灰野は椅子に座り、デュオの激しさとは一転、生音中心のプレイ。基本的には比較的落ち着いた灰野+吉田の演奏にPAUVROSが自分の持ち技を加えていくという場面と、PAUVROSがギターの刻みに回って白熱する場面の2つが中心。

中盤、PAUVROSのコーラスギターのコード弾きに、灰野が比較的まともなギターソロを加える場面がありました。灰野がこんなフレーズらしいフレーズを弾くのは珍しいのでは? しかも、よく聞かれるこの手の他者のプレイと比べても、圧倒的にクオリティの高いものでした。前回8月の邦楽といい、今回のジャズ/フュージョン風といい、ほんとに毎回驚かせてくれます。

ラスト、灰野が「すべてが溶けていく夢を見た/淡く、淡く色が混じっていく」という歌を、これまた溶けていくような深いエコーのかかったギターを弾きながら歌います。それにPAUVROSがボーイング奏法のギターを加える場面がこの日のハイライト。ここは特に素晴らしかった! このセットは30分ほどで終了。

アンコールは灰野+吉田の居合抜きのような間合い勝負の激突でスタート。PAUVROSは時々笑い声をはさむくらいで、なかなか演奏に入っていかない。どうやらトラブルで音が出なかったようですが、そうこうしているうちに灰野+吉田のテンションがガンガン上がっていきます。幸い音が出るようになってPAUVROSも加わることが出来ましたが、その前に終わっちゃったらどうしようかとハラハラしました(^_^;)。

灰野は前のセットでは使わなかった電撃ギターを出し、PAUVROSはギターを壁に叩きつける(でも、かなり優しくやってました(^_^;))。PAUVROSのピアノ弾き語りに灰野が高音スキャットを加える場面も。最初のセットで1本残していたひまわりをPAUVROSが吉田に手渡すと、吉田はそれを使ってドラムを演奏(^_^;)。終わるかな、という場面が何度かありましたが、なかなか終わりません。最後はPAUVROSが座っていた椅子の足を床にこすりつけてノイズを出し、椅子がステージ中央まで来たところで3人の音がストップ。3人ともお互いの様子をうかがって、じっとしたままの無音状態がしばらく続きます。最後は灰野が1声発して、ようやく終了。結局、アンコールセットも20分以上でした。

吉田さんは翌日ヨーロッパツアーに出発とのこと。マグマのフランスツアーの日程を気にしていました(^_^;)。うまく合うといいんですが。


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