GREG BENDIAN,灰野敬二,橋本一子98/11/20 吉祥寺MANDALA-2
アメリカのパーカッション奏者、グレッグ・ベンディアンの来日公演初日です。迎え撃つのは、灰野敬二と橋本一子です。
各セットはほぼ３０分ずつ、デュオ３通りと最後は３人での演奏です。
・ベンディアン＋橋本ベンディアンのセットはタムを４つ並べたドラムセットに、なぜかかなり離れた位置にハイハットがもう１台セットされています。ペダルが橋本の方に向けられていたのでまさか橋本がピアノ弾きながら踏むのかと思ったんですが、そんなことは無くベンディアンがスプラッシュ代わりに使っていました。また、ドラムセットのすぐ横にビブラフォンがセットされています。ドラムと同時演奏する場面も。
ベンディアンは普通のスティック、ブラシ、マレット等を使い分けてのプレイ。とにかく手数が多い！ まるでアメリカ版外山明という印象。だてにタムを４つも並べていません。また、ミュートの付け方も独特。打った後スティックを離さなかったり、シンバルは両腕の上腕部でシンバルの音を止めたりします。ビブラフォン演奏時も、マレットを押し当てるようにミュートをかけ、独特の音色としています。
橋本はフリーフォームのピアノとささやくようなヴォイスで対抗。なかなかバランスの取れたデュオでした。
・灰野＋橋本両者とも超ベテランながら、ほとんど過去共演したという印象がない両者。灰野はクリアトーンのギターを椅子に座って演奏。演奏に熱が入ってくると、橋本が底厚のブーツで板張りの床をガンガン踏みならします。これは灰野も良くやるけど、今日は橋本にお株を取られましたね。ここで３０分ほど休憩。
・ベンディアン＋灰野ベンディアンはドラムセットの前方にセットされた２台のボンゴを演奏。先端にゴムボールのついた細い棒を使用。棒のしなりを利用してロールのような効果を出したり、ボンゴの胴やリムを叩いて（叩く位置によって音程変化を付けている）演奏。灰野はギターのような形の民族楽器を演奏。後半はベンディアンがドラムセット、灰野がギターに持ち替えて演奏。
・ベンディアン＋灰野＋橋本前のデュオの演奏中に橋本が入る形でトリオとなります。終盤、橋本の伸びのあるヴォイスに灰野もハイトーンのヴォイスを加えます。ベンディアンはこれにビブラフォンの弓弾きを加えます。アンコールでは再び３人で登場。ベンディアンは巨大なクリップ状のものでシンバルを挟んでミュートさせて演奏。この日は灰野、橋本とも比較的押さえ目の演奏でしたが、最後はこの日一番のハイテンションのセットで締めました。