加納美佐子、菊地成孔、吉田達也99/3/2 新宿PIT-INN
ニューヨークを中心に活動しているピアニスト、加納美佐子のライヴです。メンバーは菊地成孔(sax)、吉田達也(ds)。このメンバーでのライヴは昨年２月以来２度目です。
この日は吉田はドラムのみでヴォーカルは無し。セットも比較的シンプルなものでした。イトケン氏のセットを借りていたようです。菊地もサックス２本のみとこれまたシンプル。
１．吉田の"GRAVESTONE"。テーマ部は元曲に忠実ですが、その後展開して突っ走り出すと、全く別の曲になってしまうのが面白いです。忘れたころにしっかりテーマに戻ってくるあたりは、ちょっとジャズぽいですね。
２．加納のアレンジによるオーネット・コールマンの曲。最初は落ち着いた曲調ですが、テンポが変わって走り出してからは吉田の独壇場。吉田はロートタムを叩きながら回して音程を変える奏法を披露。
３．吉田の"PAMIRAZE"。高円寺百景による元曲は吉田のフリーなピアノをフィーチュアしていますが、ここでの加納のピアノは菊地の吹くメロディにハーモニーを加える形。比較すると面白いです。
４．「ミスター・メトロノーム」と題された曲。電子メトロノームが終始リズムを刻み、それに加納のハンドサインで３人の演奏が断続的に加わるのが面白い。
５．加納のオリジナル曲「ボレラーチ」。題名どおり、ボレロとマーチを合体させたようなユニークな曲。
（休憩）
６．セロニアス・モンクの曲（エビデンス）をもじった題名の曲。
７．加納のオリジナル"MARIO'S HOUSE"。MARIOは加納の飼っている猫の名前。HOUSEは家ではなくハウス・ミュージックの意味だそうですが、音はあまりハウスという感じはしませんでした(^_^;)。加納のシンプルなピアノのリフを中心にした曲。
８．菊地の無事生還を祝う曲(^_^;)。菊地のソロに始まってこれにあとの２人が演奏を加える形で進む曲。菊地のオリジナル曲か？
９．吉田の"PLEXUS"。ルインズでの演奏に比べ、テンポはぐっと落としての演奏です。
１０．吉田の"RAMIFICATION"。これはほぼ元曲どおりのアレンジで、あっという間に終わってしまいました。
（アンコール）
１１．この曲のみ譜面が無かったので、完全な即興か。アンコールの割には、１０分以上にわたる長い演奏でした。
吹きまくりの菊地、叩きまくりの吉田の影に隠れがちですが、加納のピアノは地味ながら曲の骨格をしっかりとささえる安定したもの。思った以上のバランスの取れたトリオでした。
恒例の吉田情報(^_^;)。
・２月は再び渡欧。昨年８月にコペンハーゲンでやったダンスとのコラボレーションをロンドンで再演してきたそうです。この企画、ヨーロッパ各地から公演の依頼が来ているそうで、再演のための録音も現地で行ってきたそうですが、「生演奏でやりたい」という要望があったのでまた行ってきたのだとか。大韓航空で行ったので、帰りには韓国に寄って観光してきたそうです(^_^;)。また遺跡や石仏の写真を大量に撮ってきたんでしょうか。
・ライヴは４月８日、菊地雅章3DAYSの中日にSLASH TRIO＋大友良英として出演。なんとジミヘンやハードコアの曲をやるとか。マジか？(^_^;) その後は５月に高円寺20000Vで来日バンド（名前失念）の対バンでルインズとして出演予定。他にはKIRIHITO、THE 5,6, 7,8'Sが出る予定とか。
・録音物では続・是巨人の録音を目指してリハーサル中。今年中には出したいとの事です。