さがゆき、坂本弘道、千野秀一、ヒグマ春夫99/4/18 大泉学園 in F
さがゆき(vo,toys)、坂本弘道、千野秀一(p)、ヒグマ春夫(video)の４人によるインプロライヴです。坂本は３月にオートバイ事故で右手を負傷して、しばらく休養していましたがこの日が復帰第１戦です。
この日は前・後半とも約１時間ずつ、ノンストップの演奏。
坂本はまだ右手が完治しておらず、チェロを弾くことが出来ません。かわりにこの日使用したのが、なんとチューニングメータ。楽器のチューニングに使うあれですが、そのサイン波出力を普段チェロで使用しているエフェクターセットにつなげ、ピッチシフトやモジュレーションなどで音程変化をつけます。出てくる音はまるで本物のシンセのような、ティム・ブレイクやクラウス・シュルツェも真っ青！なスペースサウンドです。しかし、これなら左手のみでも演奏できるし、よく考えましたねぇ。このスタイルでの演奏はチェロが復活するまでの期間限定と思われるので、見られた人はラッキーでした。
さがと千野は初共演とは思えないほどのバランスの良さ。千野も３月に体調を崩していましたが、この日は体調もかなり戻ったようで、昨年のＦＢＩでのピアノソロを思い出させるようなハイテンション・ハイスピードな演奏で、さがのヴォイスと真っ向から正面激突。これに坂本のスペースサウンドが加わり、宇宙的なスケールを感じさせる内容の濃いアンサンブルを繰り広げます。特に１セット目後半の、さがのトラッド風の伸びやかなヴォイスを中心にしたパートは特に素晴らしかったです。
ヒグマ春夫はプロジェクターのビデオ映像を、スクリーンを使わず会場の天井や壁に映します。映す場所を随時移動させていくのが面白い。内容は抽象的なものから、フォトショップのペイントブラシ効果のようなもの、ランダムな漢字、謎の物体（イカと埴輪が合体したようなのが妙に可愛かった(^_^;)）など、演奏に彩りを加えます。
休憩時、坂本さんの腕を見せてもらいましたが、まだプレートが入っているという上腕部の手術跡が生々しかったです(^_^;)。親指のピンは抜けたそうですが、まだ握力が戻っていないそうで、常に右手にゴムボールを持ってリハビリしていました。演奏中も持っていて、出てくる音に合わせて動かしたり震わせたりしていましたが、演奏に全く関係無いそうです(^_^;)。