KEITH TIPPETT & JULIE TIPPETTS、さかな99/10/23 吉祥寺STAR PINE'S CAFE
キース・ティペットの９７年６月以来、２度目の来日公演です。今回はソロ公演に加え、細君のジュリー・ティペッツを加えたデュオ編成での公演も実現しました。前回の来日同様、ぴあによる宣伝はありませんでしたが、この日の公演は１階席の一番後ろまで椅子を詰めた状態で満席という盛況でした。
まずオープニングアクトのさかなが登場。昨年のダグマー＆ゴヤッティに続いて、すっかり来日アーティストのサポートづいてしまっているこのバンド。今回もPOCOPENがＭＣでいきなりティペットの名前をかんでしまって爆笑(^_^;)。その後も恐縮しきった様子で「対バンなんて恐れ多い」「リハを見せてもらったんですが、レベルが違う」「今日はパッパと終わらせちゃいます」など。いや、演奏内容はこの日も堂々としたものだと思うんですけどねぇ。演奏は６曲４０分ほどで終了。
セッティング変更後、ティペット夫妻の演奏。ジュリーは意外にも長身で、しかも若々しい。まずはさっき出たさかなに対して「素晴らしい演奏でした」とコメントした後、演奏スタート。キースはいきなりトップスピードでプリペアード込みの高速リフレインを繰り出し、ジュリーはこれにクラシック・ブルース・特殊唱法などを自在にちりばめたヴォーカルで応じます。演奏はノンストップで静と動のパートを織り交ぜながら、全体的にかなり落ち着いたトーンで進みます。面白かったのは、かなり本格的なジャズ・ブルースぽい演奏になる場面が見られたこと。キースのソロではあまりこういう場面はないだけに、新鮮味ありました。しかもありがちなスタイルには陥らず、両者とも積極的にそのスタイルを崩しに入るので、気を抜いてはいられません(^_^;)。
ジュリーはヴォーカル以外にも小ベル類やカリンバ等の小物を使用。早口スキャットの場面ではさがさんの姿が重なってしまいました（主客転倒？(^_^;)）。キースもピアノの中に仕込んだオルゴールやふたから吊り下げたベル類、マラカスなども使用。
後半の１５分くらいは、キースのドラマチックな演奏にジュリーが息の長いメロディを加えて盛り上がりの連続。もうここで終わってもおかしくないような場面が延々と続きます。結局演奏は最後までノンストップのまま１時間２０分にも及びました。聴く方も体力と集中力のいるライヴでした。アンコールは２度かかりましたが、出てきてあいさつしただけで演奏は無しでした。まぁこれだけボリュームのある演奏を聴かせてくれれば文句はないですけどね。