CASSIBER / LIVE IN JAPAN（日OFF NOTE ON-25）２枚組全21曲 53:11、48:32
９２年１０月のCASSIBER来日公演の模様と、それを素材にしたGROUND ZEROのリミックス作品を収録した2 in 1作品。DISC 1のライヴについては、来日公演を実体験している他の方が的確なレビューをしてくれると思うので私はパス。もちろん文句の出しようのない内容である。で、ここではあえてDISC 2の方について書いてみたい。
「GROUND ZEROによるリミックス」と聞いて、私が期待したのは「革命京劇」のような、まさにバンドが一体となって原曲を解体／再構築するダイナミックな内容だった。たとえオリジナルテイクが欠片程度しか残っていなくても、そうした内容であれば十分に納得できたのだが。
実際には再長尺の２０分におよぶTRACK 1が大友のリミックスに・益子・永田・ミズヒロがシンセを加える、アンビエント的な要素の強いもの。他のTRACKも大友＋HOAHIOにるものや大友＋千野等、同傾向のものが続く。最後のTRACKがようやくバンド編成によるもので、DISC 1には収録されなかった"AT LAST I'M FREE"から「見上げてごらん夜の星を」の後半部分に続く。この来日公演を最後に活動を停止したCASSIBER、本公演から１ヶ月後に急逝した篠田昌巳、そしてGROUND ZEROへの鎮魂歌として捧げられているようである。私が期待していたような「バンドによるリミックス」の魅力が感じられたのがこのTRACKだけだったのは、少々残念だった。
このリミックスが行われたのはGROUND ZEROが解散した昨年秋。そういう意味では、既に実体の無くなっているバンドに対して、私は多大な期待をかけすぎていたのかもしれない。３月８日に行われるGROUND ZERO融解GIGは、このリミックス作に参加したメンバーの多くを含む顔ぶれになっている。それまではもう少しだけ期待を残しておこうかな。
（３月８日のGROUND ZEROのライヴレビューへ）