高円寺百景、SHY CHILD、KIRIHITO、山本＋勝井＋ナスノ＋吉田2004/3/26 表参道FAB
NYから来日したSHY CHILDを迎えてのライヴです。豪華といえば豪華、偏っているといえば偏っているメンツで客入りは読めなかったですが、フタを開けてみると多すぎず少なすぎずといった入りでした。スタンディングでしたが椅子席なら満員だったかも。
・山本精一g＋勝井祐二vln＋ナスノミツルb＋吉田達也ds (19:05〜19:40)
吉田曰く「スーパーセッション（笑）」。このセットが１番手だとは思わなかった向きも多かったようですが、この日は山本は青い部屋でのelectric coughのライヴもあるため、早めの出番となりました。すべてインプロのセットで３０分強。アルタード、是巨人、ROVO、想い出波止場といった各人が参加しているバンドの音がちょっとずつちりばめられているのが面白い。この日は山本が珍しく前面に出てハイテンションで弾きまくっていました。短時間全力疾走型で内容の濃い演奏。
・KIRIHITO (19:55〜20:25)
なんと６年ぶりにライヴを見ます。当時は私が見に行くライヴによく対バンとして出演していたのですが、その間も着実に活動していたようで、この日の曲はすべてそれ以後に書かれた曲のようでした。押し一本だった以前に比べて、曲のバリエーションがグッと広がったように感じます。特に２曲目にやったポップな曲はかなり意外で面白かったです。３０分強。
・SHY CHILD (20:35〜21:15)
ローランドのショルダーキーボード（AX-１）を肩から下げ、生音むきだしのアナログシンセ音で両手で弾きながらスタンドマイクで歌うPete Cafarellaと、タムはフロア１台のみのシンプルなセッティングのNate Smithの２人組。普通によく使われるテクノのクリシェを多用しますが、手弾きでラフに演奏するためかなり面白い音に。これが普通に打ち込みだったり、座ってキーボード演奏していたりしたら面白さ半減だったんでしょうが、これはアイディア一発の勝利でしょう。他にもDAFを思わせる曲があったり、パンクぽい曲があったり、最後は山あり谷ありのプログレ風大曲だったりと、飽きさせません。それから地味に２人とも上手い。特にドラムはリズムが実にしっかりしている上に、ハイハットの刻みやスティックワークに随所に小技を挟んで見せます。これを楽しめるには８０年代ニューウェーブを通過しているかどうかが大きいのではないかと思いますが、個人的には予想以上に楽しめました。
・高円寺百景 (21:30〜22:30)
吉田達也ds、坂元健吾b、金沢美也子kb、山本響子vo
１．Grembo Zavia
２．Nivraym
３．Becttem Pollt
４．新曲01
５．新曲00
６．Mederro Passquirr
７．Sunna Zarioki
８．Vissqauell
（アンコール）
９．Aramida Horva
この日もギターレスで４人での演奏。坂元はギターパートを補佐するためかベースアンプの隣にギターアンプを追加して鳴らします。てっきり今後もこの編成のまま行くのだろうなと思っていたらMCで「ギタリスト募集しています」との事。「たばこを吸わない人」「性格重視」「多少地方でも可（そりゃ沖縄在住の坂元よりも遠い人はいないだろうし）」などと好き勝手言ってました。個人的にはもう１人歌える女子を入れたら面白いと思うんですが、そうなるとコーラスの低音部が弱くなるのでダメかなー。
この日は新曲が２曲初披露されました。現在の編成を意識して書かれたと思われる曲ですが、１曲目の冒頭のシンセパッドや、２曲目中間のピアノのシーケンスに、山本のゆったりとしたヴォーカルが加わるパートは、新境地と言ってもいいのではないでしょうか。個人的にはこの路線を深く追求して欲しいところです。
４バンドで２時間４５分。ボリューム満点の１日でした。