山本精一ソロ2004/4/4 吉祥寺STAR PINE'S CAFE
山本精一の昨年リリースされた弾き語りソロアルバム「なぞなぞ」をフィーチュアしたライヴです。このライヴは「なぞなぞツアー東京公演」として銘打たれていましたが、他地区での公演が入らなかったため、結局この日１日だけとなってしまったようでした。
会場に入ってみてまずステージセッティングにびっくり。ステージ最前面にギターアンプが設置され、山本のポジションはステージ一番奥のひっそりとした場所。がらんと空いたステージ上には、ギターケースとなぜか照明調整用の脚立が無造作に立っています。これには意表をつかれました。開演前には店員から、「このスピーカーから大きな音が出ますので、最前列の方はご了承ください」という説明も(^_^;)。
山本はアコギとストラト（いつものヘッドの欠けた黒のではなく、サンバーストのもの）の２本を使用。アコギはマイクで拾い、ストラトは前面のアンプから音を出します。手元のCDプレイヤーで日常音ぽいSEを流します。
１．赤ん坊の目
２．？
３．？
４．食堂
５．あんなに好きだったこと
６．Ｂ１のシャケ
７．沈黙
８．泥棒の君
９．何かある
１０．？
１１．もの投げるなや
１２．ヤシガニさん
１３．弱虫
１４．名前なんて付けたくないうた
（アンコール）
１５．？
１５曲中１１曲が「なぞなぞ」収録曲。残る４曲はアルバム未収録のオリジナルか、カバー曲と思われますが未確認。
１，２はアコギの弾き語り＋CDのSEという組み合わせ。時々弾いていないストラトからのノイズを思い出したように出すのが面白い。３はアコギのみの短い曲で、そのままノイズギターのソロ＋ストラト弾き語りの４へ移行。PAからの歌＆アコギと、アンプから大ボリュームで出てくるストラトの音のアンバランスさが面白い。でも、ステージから遠い席だと面白みは半減かもしれません。バランスは良く聞こえるでしょうが。山本はMCで「全部キーがＣなんですよ。全部同じ曲に聞こえるかも」(^_^;)。５もSE＋アコギ。きっちりシンクロしているわけではないでしょうが、電話のベルで始まり赤ん坊の笑い声で終わるタイミングは絶妙。６〜７はアコギのみ。６はカンツォーネの「砂に消えた涙」が原曲ですが、山本は結局作者を思い出せず。８はストラトに持ち替え、ノーマルトーンでのソロから弾き語りへ。結構展開のある難しい曲だと思って聞いていたら、終わって山本は「結構難しい曲ですね。でも割と再現できてるでしょ？」９はノイズギターで始まり、最初のワンコーラスはストラトを弾きながら歌っていましたが、突然ストラトを置くとアコギに持ち替えて演奏を続行。１０はSEとアコギを叩くノイズのみの演奏。１１はアコギのみの演奏。１２〜１３はストラトを使い、間奏部分はアグレッシヴなノイズギターやディレイギターのソロをたっぷりと盛り込んだ演奏。１３が終わったところで山本は引っ込もうとしましたが、「大事な曲を忘れていた」と１４を演奏。濃い演奏の口直しのようなアコギ弾き語りで本編は終了。アンコールの１５はストラトの弾き語り。
こうしてライヴで聴いてみると、アルバムを聴いた時に感じたような不条理さというかストレンジな感覚はあまり感じず、むしろ一つ一つの言葉がかなりストレートに届いてくる印象です。特にインパクトのある表現を使わず、平易な表現だけなのにこれほど深みのある（ように聞こえる）歌詞世界を作り出せるのは凄いです。曲の作りはメジャーで流通してもおかしくないような正統派のフォークロックですが、ポップなのになぜかキャッチーさは全く感じられないのが面白いところです。
19時過ぎに始まり、20時半にはさくっと終了。もう少し時間がずれていたら裏のボンフルも見に行けたかもしれませんが....。