新宿アキ2004/4/29 渋谷・青い部屋
「歌謡ダンスナイト」と銘打った企画ライヴです。この日の目玉は何といっても、今年になって突然活動を再開した「新宿アキ」のステージです。
・あやち
１番手は女性シャンソン歌手のあやち。この会場ならではの出演者と言えましょう。女性cb&p、男性dsのバンドを含めた４人編成。イベントの趣旨上「イカルスの星（越路吹雪）」「時の過ぎ行くままに（ジュリー）」「煙草のけむり（五輪真弓の曲。これは渋い！）」といった歌謡曲カバーを交えますが、やはり聴き物は本業のシャンソン。私はこのジャンルは素人ですが、高速４ビートやボレロ風、果てはラテン風までと実にバラエティに富んだリズムアレンジで、なかなか面白いです。特にラストで歌ったカンツォーネ「ケ・サラ」（岩谷時子・訳詞）はシンプルながらも実に説得力のあるものでした。３０分強のステージ。
・新宿アキ
１．ラテン・ミラクル
２．ネオンを背に受けて
３．あたしのいい人（新曲）
４．輪廻ルンバ
５．区役所通りのブルース
６．くれないホテル（西田佐知子のカバー曲）
メンバーは吉森信(p)、大坪寛彦(b)、高良久美子(perc)の３人。
アキは「ボンフル時代の衣装を１０年ぶりぐらいに引っ張り出してきた（笑）」という、黒のラテン風衣装。アントニオ・ムスクーロ時代の曲が中心ですが、鬼怒・芳垣といった派手なプレイヤーがいないため、実にしっとりとした味のある演奏。アキも「こんなに自分の声がよく聞こえるのも珍しい（笑）」とか。芳垣不在のため高良はフル回転。１や４ではボンゴとヴィブラフォンの間を忙しく行ったり来たり。ちょっと大変そうでした。３は「追っかけ」の人に捧げた曲。ちなみにアキは「私はペ・ヨンジュンには決してはまっていません！」と力説していました(^_^;)。バッキングトラックに合わせた５で盛り上がったあと、６でまたしっとりと終わるという構成もなかなか憎いです。４５分のステージ。
・真夜中のギャラン
ステージ前面左から男女tp（×２）、女子as&ts、男女tb（×２）。その後に左から男子b、vln、男女cho（×２）、男子g。最後列左から女子p（あやちのバックでも弾いてた人）と女子ds。以上総勢13名のバックバンドを従え、ドラアグクイーン風のvoが歌謡ファンクナンバー（全てカバー）を歌いまくるというバンド。動きの多いベースラインとワウ刻みを多用するギターがそれっぽい雰囲気。さすがにこれだけ人数が揃うと演奏のパワーは凄いものがあります。特に中盤の怒濤の和田アキ子メドレーは、voの声質ともマッチしていて秀逸。voのキャラクターが濃いためか、女性の固定ファンもかなり多い様子。ラストはドリフの「全員集合テーマ」、アンコールはGROUND-ZEROでおなじみ？の「小さな願い」で締め。voの体力的な問題か？トータル30分と短かったのがちょっと意外でしたが、理屈抜きでなかなか楽しい演奏でした。
終演後にアキさんにうかがったところ、たまたまデモテープを聞いたレーベル関係者の人から「出しましょうか？」という話が来て、あれよあれよと言う間に７月のCDリリースが決まったのが活動再開のきっかけだそうです。レコ発ライヴはぜひともアントニオのフルメンバーで華々しくやってほしいものです。